若き頃の聖観音立像菩薩制作を訪ねる旅にて
2020年 12月 31日
親不孝を重ねた私が、時を重ね老いた親の病に際して
もう、やらなかったこと、できなかったことを悔やみたくないと
今でしょう、という時の声に従い、母の故郷岩手の旅行を続けています。
今回は、私がかつて若い頃にご縁いただき刻した聖観音菩薩を見ていたいものだ、ということで、奈良旅となりました。
妹が同行し車を運転してくれることになり、奈良二泊の旅となりました。
こんなこともなければ再会叶わなかったかもしれない、上北山村景徳寺様に、今はお祭りいただている観音像に会いに行きました。
景徳寺様にお伺いした日は選んだわけではなく、
成道会でありました。
丁寧にお寺をご案内いただき、
薬師堂までご案内いただきました。
その登る道に四季桜が満開でありました。
この時期にこのような景色に出逢えるとは思っても見ないことでした。
遡れば仏像彫刻との出会いが、亡き主人との出会いでもありました。
凡豆珈琲さんで、大仏師由谷倶忘さんと出逢い、多くの作家と出逢いました。多くの出逢いから興味深く書を離れ、立体の世界に身を置いた若い頃がありました。
刻す時も『線』のことばかり意識していたように思います。
いまも変わらないのが不思議なくらいです。
檜を刻すには刀の研ぎ方も大事でわたしには技術が足りません。
樟は、線を柔らかくしてくれますし、刻す時の香りも大好きで、連れ合いは好んで樟を使って仏像を彫りました。
いつか
また。
若い頃の作品は、当たり前のように
若くて それはもう苦笑いですが、
永平寺様から何人もの僧侶がお越しになり、村の皆様とともに御正念入れていただいたことを思い出し、ご縁いただいた仏像に関しては、もう有難いばかりでございます。
村お越しに、とご縁いただいた亡き冨山先生には心から御礼申し上げます。
表札ご依頼からご縁をいただきました。
ご縁、出逢いは不可思議なことと、
若き日のことを
思い出しつつ。
お陰様で、親孝行ができました。
これからの『物語』ご恩送りの旅の始まりをおもう
2020師走大晦日です。
有難うございます
桃蹊柳井尚美拝