桜咲く 上映会
2020年 09月 01日
■「桜咲く」音楽と映像のコンサート
8月29日(土)19時開演(夜の部)
EVANS CASTLE HALL
http://evans-kingdom.com
全席指定、2,000円
ピアノ:川上ミネ 映像:保山耕一
ピアノ:野上朝生 すみかおり
二胡:木塲孝志 和太鼓:浅野重兵衛 書:桃蹊
コロナ感染徹底予防の為に
定員200人の会場で客席数限定72席にて開催されました
透明で清らかなこの『ファ」の音。という川上ミネさんの言葉が印象的でした。
初めて生の演奏をリハーサルでお聴きして、ミネさんのピアノの音色はそのまま景色として香りまでも感じる不思議。
春日大社と雨、そういえば、5年前に林檎の庭で奉納の書を描かせていただいた時も、数時間前まで雨でした。夜明け前、描くときには雨が上がり優しい一陣の風が低く流れたことを思い出していました。
保山さんは、コロナ禍の影響でずっと延期していた川上ミネさんを迎えてのグランドピアノ生演奏と、音楽家の皆さんと映像詩の共演をようやく叶えることができました。
定員200席のところを72席にて使用
「やまとの季節 七十二候」に合わせての72という数字に寄せる心遣いをきっと皆さん気づいていたことでしょう。
祈り
常に祈り、という文字が浮かんでくる上映会での揮毫も回を重ねて参りましたが、今回の題は「桜」一文字でお願いしますと。
どんな桜を描いたらいいのか?保山さんの映像を何度となく観たり、川上ミネさんのピアノ曲を聴きながら墨を摩っていました。
描きたいものが観えてきたときに、かつて12尺の紙に描いた「忠」(「天忠組」よみうりホール)の書の時の筆では描きたいものにならないと、感じながら、なんとか表現する術を探っていたところ、思いがけず50年前の豊かな筆を手に入れることが出来たのもご縁としか言いようがありません。
この筆を使い私は「ひとり立つ桜」を描きました。
和太鼓の浅野重兵衛さんとは二度目、魂に響いてくる太鼓です。
紙の大きさ、筆の大きさに負けない線を引くためには体をフルに使わなければ描けないのでした。またそれ以前に構図も重要なわけですが、準備しても実際には初めての筆を使いますからおもうようにいかないであろうことは周知していました。ライブの怖さであり、ワクワクとかき立てられるものでもあります。
祈っても祈っても届かなくおもっても
また胸で手を合わせています。
手を合わせるその瞬間の心の在り方と
それからどう生きるか?目に観えないものに耳を澄ませ続けます。
日々の営みの中で心を開き真摯に求めていることには、光がさし、多くのことを気づかせていただける。
私は、見残したもののなかに、煌めきをみつけたときふと仕合わせを感じたりします。
そこには、いつも大切なものがあるように想い、表現したくてたまらなくなるのです。
保山さんは繰り返し繰り返し、重ねて
「一番届けたかったのが皆さんの拍手なんです。
今日はその想いがかなって本当にありがとうございました」と。
多くの方々が多くの時間をかけ、
誰かの喜びを自分の喜びとしてご尽力くださっている、その喜び多き上映会に今回も加えていただき心から感謝申し上げます。
穏やかな日常と世界の安寧をお祈りします。有難うございました。
桃蹊拝