時空を超えて
2019年 11月 21日
不思議なご縁
ご一緒するにあたり、フライヤー用のプロフィールをお送りすると、
「尚美さん、学大なんですね?、私の祖父は学大で書の先生をしていました。」と、
驚いてお名前をたずねると、
「続木湖山と言います。」と。
言葉を失いました。
学大では学生時代そのお名前をお聞きするばかりでお会いしたことは、勿論ありませんでしたが、私が高校生の時大変お世話になり、また学大へいざなってくださった高校の書道教師の樋口一翠先生は、続木湖山先生と密接な関係の間柄でした。(樋口先生は学大卒。つまり私にとって高校の恩師であり、先輩です)
もうこの世にいない人、お会いしたことのない方のその、お孫さん(成田千絵さん)とこのように巡り合わせて頂ける不思議。どう説明できるでしょうか?
かつて千絵さん、Steve さんとの共演ライブにお母様(続木湖山先生のお嬢さん)がお越しになり、
「樋口くんの(学大)学年は優秀で、中でも樋口くんはトップで大学に入ったのよ、お墓まいりにも欠かさずきてくださっていますよ。」と。
御縁は、生きている人だけでなく、亡くなってからもこのようにつないでくださるのやなあ、と
いつもその不思議をおもいながら、大切に繋ぎたいと、おもっています。これから生きている間も、いなくなってからも、そのずっと先までも。過去から繋がるこの命が、未来にも繋がっているようです。
書家として数々の作品を発表。また書写書道の分野における教育者/研究者としての活動も多岐に渡る。師は石田泉城・青山松亭。
日本の書道教育のために、90歳を超えても現役で仕事をされました。
略歴
- 1932年、愛知県第一師範学校卒業。同年より愛知県内小学校訓導(〜1940年)
- 1938年、文部省試験検定「習字」合格。
- 1940年〜1946年、山梨師範・青年師範学校教諭・助教授。
- 1946年〜1951年、東京第一師範学校教諭。
- 1951年〜、東京学芸大学講師。1955年〜、同助教授。1968年〜1972年、同教授。
- 1954年〜1962年、東京書道美術院審査員監事。
- 1954年〜、(財)毎日書道展委嘱。1961年〜、漢字部準大賞、1962年〜、会員。1969年〜、審査会員。1992年〜、名誉会員。
- 1955年〜、一木会会長・顧問。
- 1963年〜、(社)創玄書道会理事・名誉会員。
- 1968年〜、伸芽会育英財団理事。
- 1971年〜、慶山会主催・会長。
- 1971年〜1974年、全日本書写書道教育研究会理事長・副会長。
- 1971年〜、全国大学書道学会幹事長。1977年〜、会長。1982年〜、顧問。
- 1972年〜1992年、帝京大学文学部教授・兼・同大学院教授(1975年〜、兼・同大学書道研究所長)。
- 1976年〜、文部省認定日本書写技能検定協会理事。1993年〜1999年、同会長。
- 1978年〜、東京書道教育会理事。1983年〜、理事長。
- 1985年〜、全国大学書写書道教育学会初代会長。1988年〜、同名誉会員。
- 1987年、勲三等瑞宝章叙勲。
- 1990年、(財)日本教育連合会より表彰(書写書道教育の発展)
- 1992年〜、帝京大学文学部名誉教授。
- 1994年、(財)毎日書道会より第七回毎日書道顯彰。
- 2006年、死去。95歳。
著書
- 1951年〜1960年書写検定教科書編書(小学校・中学校用)(双葉株式会社)
- 1961年〜1991年書写検定教科書編書(小学校・中学校用)(教育出版)
- 1966年書写書道技術図解大辞典(共著)(全国教育図書)
- 1967年書写の学習(光文書院)
- 1970年毛筆書写事典(教育出版)
- 1971年原題毛筆三体事典(教育出版)
- 1972年小学校図説指導辞典書写(監修)(教育出版)
- 1973年板書の書き方(日本習字普及協会)
- 1975年字の上手になる辞典(講談社)
- 1979年書道上達十二ヶ月(主婦の友社)
- 1979年幼児への文字の教え方(共編・書)1979年再版1991年改訂版(全日本書道連盟)
- 1981年湖山作品集I(東京書道教育会)
- 1983年湖山作品集II
- 1986年やさしい墨場必携(共著)(東京書道教育会)
- 1987年湖山作品集III
- 1987年日本の文学(共著)(大修館)
- 1987年筆のこころ(東京書道教育会)
- 1988年書写指導のポイント(教育出版)
- 1989年湖山作品集IV
- 1991年湖山作品集V
- 1991年書写何でも百科十巻(共著)(岩崎書店)
- 1994年湖山作品集VI
- 1996年湖山臨書撰(作品集VII)(毎日新聞社)
- 1997年漢字書道三体大字典二巻(東京書藝館)
- 2000年湖山作品集VIII(東京書道教育会)