形のない色
2019年 11月 02日
形のない色
骨のない肉体
そう
「形のない色には綺麗さはあっても美はない」
と岸田劉生は言ったと。
美を求める会話の中で、私自身自己否定されたことを受け止めた時がかつてあった。
そんな記憶の中を手繰りながら
例えとして
彼は、
岸田劉生を持ち出したことを思い出していた。
美とは、
例えば麗子像のような
と、
言って「これがただ美しいですか?可愛いって感じですか?」と。「怖いほどゾクゾクしませんか?、貴女の作品にそれが有りますか?」と。
私に骨を教えてくださった人のことを
おもいだす。
美しく頼りなさげやけれど、揺るがない形の月を眺めている今夜。
語れば語るほど遠ざかる真実。色を説明することはできても、骨は説明できない。
わかる人にしかわからない。絵画であれ、彫刻であれ、書であれ。形のない色 ではなく骨なのやと思う。
私は誰にも理解していただけなくても、形のない色ではなく、骨を求めていきたい、と思う。
面白いことに宝石やお金や美辞麗句に興味が薄れると、とことん自分自身にだけ興味が深まっていく。
by sumiasobihito
| 2019-11-02 22:49