鼓動 心象の風景
2019年 01月 17日
「三番叟組曲」
千人鼓の会様とのご縁は、
細男座様、ひいては春日大社様のお引き合わせでございました。
細男座様、ひいては春日大社様のお引き合わせでございました。
三番三・三番叟、は天下泰平を祈る儀礼曲『翁』の後半部分で『翁』は、翁の面を納めた面箱を持つ千歳、翁、三番三、囃子方、地謡が橋掛リから順に登場します。
翁が舞台の中央先で座り深々と礼をし、それぞれの役が着座すると、笛の独奏に続き、3丁の小鼓が勢いよく打ち出し、翁の謡が響きます。
はじめに「千歳ノ舞」
その間に舞台上で面をつけた翁が天下泰平・国土安穏を祝して荘重に舞う「翁ノ舞」
翁が舞台から退場すると、
三番三が「揉み出し」という大鼓の打ち出しに合わせて立ち、躍動的に足拍子を踏みしめ力強く舞う「揉ノ段」
続けて三番三は、黒式尉の面をつけ鈴を振りつつ、はじめはじっくりと、次第に急速に舞い納める「鈴ノ段」
さて、
三番三(三番叟)の
「三」とは、数が多いこと
「番」は、人が整えた場所、耕地に種を蒔く、散り蒔くこと。
また、獣の掌の形、田は、その掌の部分と。「申伯、番番として既に謝に入る」は、武勇の様に用い、もと一歩づつ踏み出す意とも。
「叟」は、竃に燃える炎に手を添えている象形。意味には廟中に火を執るもの=長老、年寄りとも。
ご依頼の作品を作る上での、私的な文字の意味からの想像に過ぎませんが、
いわゆる三番三(三番叟)の「三番」、特に「番」の意味に惹かれました。
種を蒔く、散りという解釈が示すように古代のことを想えば、芽が出るように沢山散り蒔くこと。
三という数は多いことを意味しますから、沢山蒔く、ということになります。
三番三は、ひたすらに種をまき五穀豊穣を祈る表現。
三番叟は、「叟」が示す、家の竃に赤々と灯る火と添えられる手から、種を蒔き人の豊かな暮らしの五穀豊穣を祈る表現。
と、なるのではないか?と想像しました。
文字を探るほどに、文字を有するようになった頃の古人の、
心の豊かさと自然に対する畏敬の念を感じずにはいられないことに気づかされ、そこから心象の風景へとイメージを膨らませていくことの難しさと面白さは尽きません。どこまでも深い。
風景とは物語のように感じるのです。
作品の中に、観る人それぞれの物語を感じることができるような制作をしたいとおもっています。
♬千人鼓の会の『三番叟組曲』は今年秋に春日大社にて奉納演奏されます。
風景とは物語のように感じるのです。
作品の中に、観る人それぞれの物語を感じることができるような制作をしたいとおもっています。
♬千人鼓の会の『三番叟組曲』は今年秋に春日大社にて奉納演奏されます。
by sumiasobihito
| 2019-01-17 02:56



