何 願うなく 望むなく

今年の四月は、四月とはおもえないほど、私はその速さに追いつけないほどあっという間に過ぎて行きました。
桜をよそに庭にひっそりと咲く花にも心を寄せることができたのは、抱えている大切な仕事(氷室神社 六曲屏風)が、自分が定めた期限に届かなかったことに所以します。
それもまた、
「急ぐ勿れ」
大事に納得のいくものにしよう、と。
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私が暮らす日々の中に、毎日聴く鐘の音や、鈴の音があります。

朝昼晩に興福寺南円堂の鐘を聴き、使いの行き来に御霊神社さんの鈴を鳴らします。元興寺、塔跡、小塔院もまたいつでも開かれていて気軽に手を合わせ、花見に立ち寄れる場所です。
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そのように神様仏様がすぐ身近に感じられるところに生かされておりまして、
一年に一度初詣に行くのとは違ごうて、一言お願いしたり、時にはあれもこれもと願わずにはいられないこともあったわけです。
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最近、命を取られるほどのことではないものの苦しい事がありまして、
ですから、東大寺や春日大社にお参りしてもどこに参りましても、おんなじことを願うて参ったわけです。
それが気がつけば
どうにもならないはずのことが、まあ、どうにかなっている事に気付いたわけです。
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そうしますと、何かをさらに願うと言うよりは、
「ありがとうございます。おまもりください。」しかなくなって
ただ手を合わすこの頃になりまして、それはもう神社仏閣だけでなく、
景色を見ても、鳥の声を聴いても、花を見ても
なんだか、あり難くなってしまうと言う、なんとも穏やかな心持ちになるのです。
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かつて、円覚寺の老師は
「花も美しい
月も美しい
それに気づく
心が
美しい」と提唱されていらしたことなど思い出す
五月一日でした。
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生きているばかりぞ われと 芥子の花 一茶
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by sumiasobihito | 2018-05-02 07:44 | Comments(0)

生きている墨の美しさ、生かされていることの有難さ。表現者としての記録


by sumiasobihito桃蹊
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