想い出の奈良の桜たち(飛火野、浮見堂、元興寺小塔院 塔跡 )

墨の合間

御山(御蓋山)のあの稜線を屏風に描き入れたいとおもう中 飛火野、桜色から
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桜の季節は、早く過ぎて欲しいと、密かに願っていた頃から約十年ばかりも経ってみると
なんや勝手なことを思っていたのだなあ、と 桜に申し訳ない気さへしてきます。
桜………

なんとも 不思議な花です。
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飛火野
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桜色に、しあわせを感じていた頃とは少し異なる心持ちながら、やはり切なく美しいと思います。
桜色を美しいと感じつつも、切ない想いでの色になりました。二人で夜を明かし星を見上げた浮見堂は、新しくなって久しく。
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浮見堂
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今はもうないあやめ池遊園地の桜の樹々や
平城宮跡では幼い子らと過ごした桜たち。

何がわたしを桜を嫌いにさせたかとといえば、佐保川の桜なのです。
言うまでもなく、桜のせいではないわけですが、伴侶を亡くしたその年に、息子の高校の入学式に向かうおり見知らぬ方が写真を撮ってくださいました。その誇らしげな桜はあまりにも眩くて辛かった気がします。

そして、その年に春日大社水谷神社で、狂言小舞を舞う予定になっておりましたので、喪中の私と娘は
鳥居の外を通り、水谷神社、鎮花祭で私が舞わせていただいた「泰山府君」。

♩哀れひと枝を 花の袖に手折りて 月をも共に眺めばやの 望みは残れり この春の望み残れり♩

この曲は、連れ合いが好んだのをおもって選んでいただいた狂言小舞やったのかもしれません。この桜の心象風景の桜は今も 鮮明に胸の中にあります。
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小塔院跡

独りになって出逢ったのは、元興寺小塔院、呼子鳥鳴くあまり人のいない場所で、親切にしていただき情けをかけていただきました。
こちらのさくらんぼの花や、棗の実の記憶が、桜を受け入れるきっかけになった気もします。小塔院の今は亡き方が語ってくださった入江泰吉の思い出話も興味深いことでした。
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そして、暮らしのなかにある元興寺小塔院さんや塔跡さんもまた、
桜の時のみならず花や葉、樹々の美しさが
人を待っていてくれるような私にとって安堵する場所になっています。

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元興寺塔跡

自然の力をいただいて、生かされている日々、墨の合間の
桜の想い出🌸です。
さて、そして氷室神社さんの桜にであって、桜が許してくださったのか、そもそも許すも許さないもない、私の心の問題かもしれませんが、ご縁いただきご造替の屏風を制作途中の、墨の合間の寄り道


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by sumiasobihito | 2018-03-30 21:30 | Comments(0)

生きている墨の美しさ、生かされていることの有難さ。表現者としての記録


by sumiasobihito桃蹊
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