奉納揮毫 氷室神社しだれ桜花咲寄金の集いにて
2017年 05月 13日
この集いの趣旨 /
奈良で最初に咲くしだれ桜。
奈良に春本番を告げる桜として愛されて来ました。
近年、樹勢の衰えが目立ち、
現在は樹木医による樹勢回復が行われています。
桜を守るためには、毎年多額の費用が必要となります。しだれ桜を残してくれた先人に感謝し、
次の100年にも桜を受け継いでいけるよう、
「しだれ桜花咲寄進の集い」は、しだれ桜の現状を多くの皆様に知って頂き、浄財を集めることを目的に開催します。
奉納賛助金は必要経費を除き、
しだれ桜の保存を含む氷室神社第62次御造替事業に寄進させて頂きます。
奉納賛助金 2,000円 定員 100名(椅子席)立ち見席あり
https://himurosakura514.wixsite.com/sakura
桜に想いを寄せる多くの支援される危篤な皆様とご縁を紡ぎ、100年先にも咲いていて欲しい桜「花咲寄進」への奉納に際し、いま生かされている生命の「希」なることへの感謝と、時空を超え繋がり耀く明日への「望」を精進し、氷室神社様にご縁いただいた鳳笙奏者井原季子と書家桃蹊とが共鳴し音霊と言霊をもって「花咲き給へ」と祈り奉ります。
正直に申し上げて、海龍王寺さまでの共演は、私にとりましては初めてのことでしたので、もし今度またの機会を得られるならば、きっと妖精季子さんの音霊とさらに呼応できるように思っていましたので、願いが叶い本当に嬉しかったのです。
しかし、このたびもまた、神様のお前にて、やり直しのきかない奉納に、さらにご覧になる方もいらっしゃるわけですから、緊張はこの上ないものでした。そんな直前に……
その情けない背中に桜のコサージュ🌸を背中を撫でながら五蓮座のレンゲさんがつけてくれました。
この奉納に関わる出演者につくってくださった小島さんの手作りのコサージュは、共に歓びを感じ皆さんの背を後押ししていたに違いありません。💚感謝
『希望 すべての花咲かせ給へ』
作品は鳳笙井原季子さんの音霊と呼応する5部面の展開によるものです。美しい彼女の音色は、石笛から笙へ移ります。
神様の御名前を描くときには、彼女の低い声にて神様をお呼びするような低くて強く通る声に変わりました。
再び笙に変わって、最後に桜の花を想わせる墨の飛沫を散らす時には、鈴の音に。風が通り抜けて行きました。
『希望』 「希」(キ)は祈なり。(生もまた奇なり)
「望」は、人の爪先立ちて、大きく見開いた眼で遠くを
見つめる姿なり
『花咲かせたまへ すべての 花 咲かせたまへ』
作品制作まで
前日、リハーサルの日のこと
奉納揮毫前日パネルを搬入してから、ご協力くださっている皆さんと一緒に、拝殿の拭き掃除をしつつパネルの位置を確認していた時間は、実際の奉納より少し早い時間でした。
拝殿には雨が上がって陽が差して、強く明るい光が降り注いでいました。
墨色も明確な条件でしたが、拝殿に陽が差して影ができていました。
影ができると、設計図はあるものの、その場での画面に向かう空間把握ができないと思いました。パネルの位置をずらしたいと考えていた時に、
「当日は、晴れて陽が差す頃にここは、あの木立の中に陽が沈むので影はできません。」と、保山さんの自信たっぷりの確信した言葉が聞こえました。
その言葉の通り、当日は影のない安定した光の中で何のストレスを感じることなく描くことができました。
きっと、私だけでなく保山さんは、このように参加者全ての人にとって最高の条件を満たす演出を考え準備してくださっていたのだろうと、思ったのでした。「色々全体の流れを考えて、この時間のこの場所を揮毫に選びました。」という保山さんの言葉が全てを語っていました。
また、同じこの日には音響の調子を気にかけていらした氷室神社の大宮宮司から
「寄進は、一つしだれの桜のみならず、お集まりになる方、関わった方全ての花を咲かせよう、という意味です。」というお話をうかがい、前もって拝読させて頂いていた
岡本先生の「祈りの言葉」(当日朗読されました)の意味が本当によくわかり、私は、希望の文字の他に、さらに「全ての花咲かせ給へ」と書き加えることにしたのでした。希望の文字と共にご縁いただく皆さまへの祈りの言葉の準備が整いました。
有り難い出逢いが多くの人との出逢いを生んで、希望に満ちた時を共有しました。
司会を務められた石川住職の、声を詰まらせた瞬間を印象深く思い出します。
題字「とことわの桜」を描かかせていただいた五蓮座の皆さんのパフォーマンスも素晴らしかったなあ
この日、たくさん音楽が奏でられました。
そんな中私に声をかけてくださる方がいらっしゃいました。書にご興味がおありのようでしたのでしばらくお話をしていますと、実はもうすでに私はこのかたの演奏を聴き知っていたのでした。
🎹ピアニスト野上朝生さん。
のちに書と共演していただくことになろうとは、この時は考えもしなかったことでした。
出逢いは不思議、不思議に感謝、感謝。