歩く詩人 Wordsworth and Basho. Walking poets


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私は今まで経験したことのない疎外感と不信感の孤独の中で深く沈んでいました。
それは、最愛の人を亡くした時と、形は違っても、悲しく誰の言葉も信じられないような淋しい時でした。
「想像したり、表現したりする事で私は
澱んだ独りの淋しさが 突き抜けて 澄んで行く気がしていました。私はひどく落ち込んだ数ヶ月を踠き苦しんでいたのでした。
この企画を頂いたのは一年も前ではありましたが、この企画があったからこそ
わたしは救われたのでした、救いは不思議な巡り会いですね。
世界は、広いということに気づいたから、
やっと暗いトンネルを抜け
ようやくひと山を越えることができました。

歩く詩人 Wordsworth and Basho. Walking poets

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日本初公開となるワーズワースの直筆原稿を始め、芭蕉直筆の書画などと合わせて、イギリスと日本から総勢20名の現代美術家が制作した作品を一堂に集めたユニークな展覧会です。
伊丹市立美術館柿衛文庫にて、9月17日から11月3日まで開催されます。
洋の東西を超えて時代を超えて、色々なジャンルの作家が一つのテーマに自己を映し表現します。

図録より

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私はワーズワースと芭蕉二人の共通するイメージを見つけるために、まず「奥の細道」の書物を久し振りに書棚から引っ張り出して読み始めました。そして、続いてワーズワースの詩集。これは、たまたま書のお稽古に来られた方から頂戴することができましたが、なかなかこれは難解でした。

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やがて、イメージを固め、
丸三角四角で二人の世界を結ぶ大きな宇宙観を。
そこにそれぞれをシンボリックに表す「旅(旅の文字の中には二人の人がいます。ワーズワースも芭蕉もたった一人の旅ではありませんでした)」と「奥の細道の冒頭部分」
形式は、屏風。これは日本で開かれる展覧会ですので日本の優れた表具技術と、生活の中の空間美を作り出す屏風がふさわしいと思ったからです。


さて、さらに思いがけないお話をいただいたのは、遡ってスカイプでイングランドの作家達とミーテイングをした日のことです。
画家マイク コリアさんが一緒に表現しないか?とお誘いくださいました。

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私はこの頃なんでもいいから、どんどん仕事をしたいと思っていましたので、迷わずにお受けし、彼が描いて来たブルーからグリーンのグラデーションの効いた紙に、彼からのメッセージを、漢字に変えて描くことにしました。

「共同制作 Colladrative work」(のちに三幅二対の軸)
「心象の旅人(Traveler of Mind Landscape)と題した屏風
2作品の出品になりました。


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私にこのお話をくださった、クリスティヌ サトさん、私に興味を持ってくださり、お誘い頂き心から感謝しています。

最初にも書いたように、このお仕事をいただき、世界の広さを知り、私が悩んでいたちっぽけなところから、大きな広い世界に導いていただき、真っ直ぐに書の世界のことにだけ向かう事ができました。表現すること、の世界は、人からの評価を離れた自分と向き合うものであるにもかかわらず、人恋しさに疎外感から目を背けて見失ったものを、以前の私のままに進めるようになったきっかけを頂きました。
感謝する展覧会です。

そしてこのご縁を深め海外の方との蜜な書のシンポジウムとスクリーングがのちに実現していくことになります。

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by sumiasobihito | 2016-09-17 10:00 | Comments(0)

生きている墨の美しさ、生かされていることの有難さ。表現者としての記録


by sumiasobihito桃蹊
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