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奉納 映像詩「かすがの煌めき」



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春日大社林檎の庭 夜明け前


映像詩「かすがの煌めき」より
「わたくしたちは観つくせない世界に生かされているのではないでしょうか。
「神様の気配を 撮りたい」という、保山さんの志と、そこに共感する方達と、「奉納」という神様に近いところで揮毫する有難いご縁をいただきました。
観えない世界は興味深いことですが、同時に怖ろしささえ感じる世界でもあります。
わたくしたち撮影に関わる一人一人が、自らの「奉納」として受け止め、夜明け前の神前に向かうという恐怖に備え精進潔斎をして臨みました。


わたくしは人が見残したものの中に、煌めきを見つけた時ふと仕合せを感じたりします。
そこにはいつも大切なものがあるように想い、表現したくてたまらなくなるのです。
保山さんとわたくしに最も共通しているのは、きっとそんな世界を求めているところではないかと感じています。
新しい何かを観つけたいと求め、形でも言葉でも なく目に見えない何者かと交信しているその瞬間こそが面白くてたまらない。そんな観えない何かに悦びを戴き救われ生かされているのかもしれません。

人はどこから来てどこに行くのでしょう?……水は?

一滴の雫は、流れとなり大海へ、そして慈雨となって心に降り注ぎます。
そんな行く水を追い求めた 映像詩「かすがの煌めき」の「煌めき」は、
神様のささやきと言えるかもしれません。

そのささやきはきっといつでもあなたの傍に。
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この作品が多くの方の心に響いていただけるよう 願ってやみません。
この度の 映像詩「かすがの煌めき」春日大社奉納上映に際し、
春日大社様には、夜明け前からの撮影およびご指導とご協力をいただきました。
こころより感謝申し上げます。」

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わたしは、映像詩の試写会の時、春日大社共生の館での上映会の時、またその後も映像を観ながら感じていました、これは今居る私に違いはないけれど、
実は、一方で保山さんが神様の気配を感じながら、多くの方に伝えるために多くの時間をかけて紡いだその瞬間、瞬間の素材の中の一つに私もいるのだと。そしてまた、桃蹊を興味深く捉えてもくださっていることも。例えば奉納の文字に何を描こうか迷った時に彼は、「煌」(映像、墨の煌めきで描いた文字)を勧めてくださった。それはここまでの制作過程を知っているからこそ、シリーズとして描くことを思いつかれたのだと想います。
うまく言えませんが、そんな風に私はこの作品(映像詩)を遠くの方から綺麗な映像やなあ、とそこに私はいるけれど、何故か人ごとのように客観的に観ているのでした。
この作品はドキュメンタリーの形をとっていますが、詩情豊かな映像詩、として保山さんが投影されていると感じていました。
インタビューで話した言葉は、あの時も、今も変わらない私の想いであり、書に関することも変わらず一貫して持ち続けて居る制作の姿勢です。

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偶然ではない。ご縁とは不思議です。
奉納上映までの集中した時を共有した仲間と過ごした中で
それぞれ皆が心にかかっていたことは 、保山さんの体調ばかりでした。
今も忘れられない保山さんの言葉があります。
それは、春日大社奉納上映の少し前に保山さんがいった言葉です。

「死ぬことは 怖くない。親しい人たちと離れることが辛いんや」と。
初めて見た彼の涙でした。
人が死を身近に意識する時、恐ろしいのは、
病いや老いの苦痛と同時に想像できにほどの大きな孤独の寂しなのかもしれません。
この映像に関わった私たちは同じ一つの山を登っていき、春日大社での夜明け前の撮影の日の前日には精進潔斎をして臨み、時間の限りよいものへと深めながらやがて、 奉納上映会の日を迎えることができました。
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映像の最後に
「もう、終わりでいいですか〜?」と私は軽やかに笑いながらとエンデイングになります。

もし、私の人生の最後に、そう笑って言えたらいいなあ、などと思いつつ、
保山さんが編集で、カメラが回っていないと思っていた時に私が発したこの言葉を何故入れたのかは、今も、よくわかりませんけど。
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by sumiasobihito | 2016-01-26 00:00

生きている墨の美しさ、生かされていることの有難さ。表現者としての記録


by sumiasobihito桃蹊
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